これから農協で営業マンとして働く方・異動になる方、
「私が営業担当なんて、務まるのかな…」
とお思いになって悩んでる方、多いと思います。
私も自分がその立場になった時にすごく不安でした。
その時、「農協の営業ってどんなもんかな?」とネットで調べたのですが、具体的な物は見つからず…
そこで第二の自分のような思いをする人が、少しでも不安を取り除けたら良いなと思い、
メリット・デメリットを記事にしたいと思います。
メリット5選
組合員さんが優しい
地域にもよりますが農協の組合さんは基本、年代が上の方が多いです。
ですので家に訪問させてもらう時も、高い確率でお茶と茶菓子が出てきます。
もうほんと、「あざーす!」って感じでお菓子を貪り尽くします。笑
しかも、もうほんとそれだけでもありがたいのに、お昼近くに行くとご飯を出してくれる人もいました。
一人暮らしで、カップラーメンばっかり食べていた私にとってはとんでもないご馳走で、涙を飲みながら食べていたことを思い出します。
普通は後に記述する、集金業務のついでにお家に上がらせてもらってることが多いのですが、
営業活動に疲れた時によくお茶飲みに行っていたお宅が何軒かありました。
そういったメンタル的に自分が弱っている時に励ましてもらったり、「そんなに気負いする必要はないよ」などアドバイスを貰ったこともあります。
まとめるとほんとに優しい方が多くて、それがなければ私はすぐに辞めていたかもしれないです。
それくらい組合さんの存在が大きかったです。
集金業務を通じて関わりが持てる
大手の銀行に知り合いがいるのですが、業界で集金業務をしているのはとても珍しいことだそうです。
良くも悪くも、私が勤めていた農協は時代遅れで、普通通帳の入金・払戻や定期積立の掛込を営業マンが現金で集金していました。
(最近、聞いた話ですが全件通帳引き落としをお願いしている最中らしく、以前みたいに件数は多くはないとのことです。)
通常、貯金営業は飛び込み訪問で大きい額を定期貯金にしてもらったり、
定期積立のような継続的に取引が行えるような商品を売るというイメージを持つと思います。
私が勤めていた時はまだ集金業務が盛んで、飛び込み訪問をするというよりも、
集金業務からお客さんと仲良くなり、定期貯金締結等に結びつける事の方が多かったです。
なので、飛び込み訪問が主体の他の営業マンと比べると、農協の貯金営業は初心者向きだと思います。
私自身、ゴリゴリの営業トークは苦手で、不安もいっぱいありましたが、集金業務のおかげでなんとか成績を残せました。
これから農協の貯金営業になる人は怖がらずにチャレンジしてみてください!
で、心が折れそうな時には優しい組合員さんのお家に遊びに行きましょう。笑
売る商品が沢山ある
農協は総合事業なのでPR出来る商品が沢山あります。(その代わりデメリットにもなります。詳しくは後述します。)
その種類はこんなにあります。
- 定期貯金・定期積立等
- ローン各種
- 肥料・農薬等の農作業に使う購買品
- 共済商品(俗に言う保険)
このように貯金営業とはいっても、金融商品だけを売る訳ではありません。
それは逆に武器にもなり得ると思っています。
実際に営業をすると分かりますが、
1年・2年と同じエリアを回っていると段々訪問するお宅が無くなってきます。
そうした時に、気分転換がてら他の部門が取り扱ってる商品を営業しに行くと、
思わぬところで情報をもらえたり、貯金してくれたりと言う事もありました。
もちろん、肥料・農薬やローン、共済など詳しくない商品もありますので、分かる人にバトンタッチします。
行き詰まった時に、こういった幅広い商品を扱っているのは農協の強みだと思います。
お裾分けを貰える
お客さんは主に組合員で農作物を作っているお宅が多く、訪問して仲が良くなった人からはお裾分けをもらうことが多々ありました。
私は一人暮らしをしていて、そのことを雑談で話をすると「これ持ってけ!」と色々なものをもらったのを覚えています。
実際食費は切り詰めて生活を送っていたので、とてもありがたく頂いてました。
中には食べ切れないほどの野菜をくれた方もいて、頑張って自炊したのですがいくつか腐らせてしまった事もあり、
その時は本当申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
ですが、こんなに人の温かみを感じれる営業は他にそうそう無いと思います。
お昼ご飯を家で食べれる
このメリットはどの営業マンにも言えることだと思います。笑
ずっと支店にいなければいけない事務員と違って、営業は外に出てナンボなので、誰にも文句を言われずにお昼に家に帰れます。
一人で周りの目を気にすることなく、好きなものを食べれるので、節約生活を送っていた私にはとても良い環境でした。
私は昼ごはんを食べたら、自分のベッドで仮眠をとってから仕事に戻るのが日課でした。
もちろん、休憩時間1時間の中でですよ!
そんな事出来るのは営業してる人だけだと思います。
ですが、注意点があります。
家に帰れるということは、事務所の近くに家があるということで、他の営業の人に目撃される可能性があります。
そうなった時に、1時間以上昼休憩を取っていると、上司に告げ口されますので、時間はきっちり守りましょう。
デメリット5選
ノルマが多種多様でキツイ
メリットでも紹介しましたが、農協は総合事業で取り扱ってる商品の種類も多いです。
それに伴って、貯金営業だからといって金融商品だけがノルマになっているわけではありません。
もちろん、本業の金融商品の比重が大きいのですが、
その中にも専門知識の要る「ローン商品」のノルマもあるので、
それらのノルマをクリアするのはとても難しかったです。
また、農協によると思いますが、営業推進手当をもらうために、
色々な部門のノルマを平均的に最低ラインクリアしないと本業の金融商品の手当も貰えないという農協もあります。
(私が勤めていた農協はそのような制度でした。)
このデメリットは農協特有のもので、多くの営業担当がつまづく点だと思います。
また、営業担当ではなく事務員にも年間のノルマが課されていたり、ある一定期間集中して地域に共済などを売る「一斉推進」と呼ばれる期間があったりする農協もあります。
大先輩に昔の話を聞いたことがあるのですが、最高で夜中の0時までお客さんの家にいたことがあるとのことで、その当時は相当ハードな推進方法が取られていたとわかります。
ですが安心してください。その当時のように無茶な推進は現在コンプライアンス違反になるので、どの農協も行なっていません。
(知られてないだけで、そのような体制が取られている農協があったらすみません。)
お金の管理がシビア
金融営業担当なので、毎日必ずお金に触れます。
集金業務や、現金で定期貯金をお願いされたりするとき、その場でお金を勘定して端末に打ち込みます。
もしその時の勘定が間違っていたりすると、事務所で現金処理する際過不足が生じます。
そうすると大変!
その日の帰る時間は9時頃とほぼ確定します。
しかも自分だけが残るわけではなくて、そういう場合は課全員でサービス残業になります。
自分のミスで、他の人を巻き込んでしまいますし、その日用事がある人には溜まったもんじゃないですよね。
みんなで何をするかというと、「事務所内にお金が落ちていないか」や「伝票にミスはないか」など全員で探します。
ただそういう時って9割型、過不足の原因って見つけられないんですよ。不思議なことに。
その見つからないお金を延々に探すという地獄は昨日のように思い出されます。
客に振り回されやすい
農協の営業担当のお客は組合員さんが多いと言いました。
それ故、お客さんが田んぼや畑に行ってたりすると集金業務・その他手続きの時に会えないなんてこともしばしばあります。
時間指定であればなんの問題も無いのですが、農作業は天気との勝負でもあるので、すっぽかされるなんて事も多々あります。
もしお客に会えなかった時は、その周辺に先に行けるお宅が無いか確認して、柔軟に対応する必要があります。
そこらへん、性格によってはイライラする原因にも繋がるので、「きっちり、時間厳守は基本!」という性格の人は苦労するかもしれません。
紙の申し込み用紙が多い
今の時代、どこへ行っても電子サインが主流だと思いますが、農協の各種申し込み用紙は紙ベースが多いです。
ここらへん、まだまだ時代の流れについていけてない感じは否めません。
客層の年齢が高く、ニーズに合っていないという事も理由に挙げられると思います。
ですが、同じ農協の事業で、「共済部門」の方はほぼペーパーレスで手続きできます。
「金融部門」は一つも対応していなかったので、ペーパーレス化に対する温度差があります。(私が勤めていた当時の話ですが。)
記入する紙が多いというのもお客さんにとってはマイナスな部分が多く、
せっかく契約できそうでも「めんどくさいから、止めようかな」などと言われる事もありました。
使う端末機が時代遅れ
このデメリットは単純に営業担当が使う端末が使いづらいという不満です。
端末機とレシート発券機が別々になっているせいでバッグの中がパンパンになります。
今時の運送屋等を見てると、一体になったもっとスリムな端末を使っている会社も多くあるのでそれを見習って欲しいですね。
訪問先のお宅で、「やばい…端末忘れた…」と何回青ざめたことがあったかわかりません。
とまぁこれは自身の不注意からなので人のせいにしてはいけませんね。
最後に
ここまでお読みくださってありがとうございました。
今回挙げたメリット・デメリットは全て実体験に基づくものになっています。
これから農協の貯金営業担当になられる方の不安や葛藤などが少しでも和らげることができたら幸いです。
「農協のこんなことが知りたい!」
などがありましたら、お問い合わせフォームまでよろしくお願いします。
後輩たちの生の声を元に、実体験を交えて記事にしようと思います。